令和8年3月13日をもってJR各社の旅客営業規則から往復乗車券と連続乗車券が消滅しました。このことは地上波のニュースで取り上げられるほどだったのでご存知の方も多いかと思いますが、その陰で別途往復乗車券、別途連続乗車券、分岐往復乗車券、分岐連続乗車券も消滅しました。
まず、往復乗車券と連続乗車券は旅客営業規則第18条第1号イに発売できる乗車券の種類として規定されていたのでわかるとしても、「別途」「分岐」とは何なのでしょうか。これらは旅客営業規則第247条第1項及び同条第2項に定められています。
(別途乗車)
第247条 旅客が、乗車変更の請求をした場合において、その所持する乗車券が、乗車変更の取扱いについて制限のあるものであるとき又は旅客運賃計算の打切り等によって旅客の希望するとおりの変更の取扱いができないものであるときは、その取扱いをしない区間について、別途乗車として、その区間に対する相当の旅客運賃を収受して取り扱う。
2 旅客が、乗車券に表示された発着区間内の未使用区間の駅を発駅として、当該駅から分岐する他の区間を別途に乗車する場合又は当該駅から折り返して原乗車券類の発着区間内を乗車する場合は、前項の規定に準じて取り扱う。
第1項で別途乗車が、第2項で分岐乗車が定められています。そして旅客営業取扱基準規程(旅客営業取扱細則)第235条第1号イで別途乗車、分岐乗車を取り扱う際の事由の取扱い方が定められています。
(一般用特別補充券の各欄の記入方)
第235条 出札補充券、改札補充券、料金専用補充券及び車内補充券の各欄の記入方は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 事由欄は、次に掲げる略号を記入(略号が記入されている場合は、○でかこむ。) することができる。この場合、異なる種類のものを一葉として発行するときは、それぞれの略号を組み合わせて「片道特急」の例により記入する。ただし、乗車券類の代用として発行するとき及び前途の他列車に対して発行するときは、略号の後に「券」をつけるものとする。
《中略》
イ 別途乗車
(ア) 別途(原乗車券の発駅又は着駅を発駅として別途乗車の取扱いをする場合)
別途片道、別途往復又は別途連続
(イ) 分岐(原乗車券の発駅又は着駅以外の駅を発駅として別途乗車の取扱いをする場合)
分岐片道、分岐往復又は分岐連続
(ア)で別途往復と別途連続が、(イ)で分岐往復と分岐連続が定められていました。以上により、発売されていたのが別途往復乗車券、別途連続乗車券、分岐往復乗車券、分岐連続乗車券でした。なお、令和8年3月14日の改正により、旅客営業規則第18条第1号イが改正され片道乗車券、往復乗車券、連続乗車券が廃止され普通乗車券とされたのにあわせ、旅客営業取扱基準規程第235条第1号イも改正され、別途片道、別途往復、別途連続、分岐片道、分岐往復、分岐連続が廃止され別途普通、分岐普通が新たに定められています。
最後に実例を示します。
①別途往復乗車券


(関)富田→桑名
②別途連続乗車券


(関)富田・名古屋・四日市
③分岐往復乗車券


多治見→土岐市
④分岐連続乗車券


(中)金山・熱田・尾頭橋












経路は舞子(山陽本線)神戸(東海道本線)新大阪(おおさか東線)鴫野(片町線)放出(おおさか東線)久宝寺(関西本線)奈良(桜井線)高田(和歌山線)和歌山(紀勢本線)紀三井寺です。営業キロは213.0キロ、発売額は学割適用で2,990円、有効日数は3日間です。